年上の事情
もうすぐ夏休みも終わり。
毎日宿題を頑張ってるご褒美に、ドライブに連れて来てくれたのだ。
「え?付き合わない、って…」
「恋人になろうって意味」
や、やっぱそーいう意味なんだ…
どどどどどうしよう!
これが世に言う「告白」ってやつ?
思ってもなかった申し出に私の頭の中はパニック。
付き合うって…。
付き合うって…!?
どうしよう、ドキドキで胸が痛い。
信じられなかった。
素敵だなぁなんて憧れて
でもやっぱり大人な人で
私とは住む世界が違う人なんだと思ってたから。
もしかして、子供だと思ってからかわれてるのかな?
「で、でも…シンヤさんは、彼女さんとかいないんですか?」
「いないよ。いたらこんな事言わないよ~」
そっか。
私、恋愛ってよくわかんないけど、そんなもん…なんだ。
で、でも…
初彼氏がこんなかっこいい大人な人だなんて…
緊張する。
「やっぱ年上より、年の近い子の方がいい?」
「ううん。そんなこと…」
シンヤさんの車はゆっくり我が家に近づく。
あ、もうすぐバイバイだ。