年上の事情
シンヤさんは今お盆休みらしく、その日は深夜まで映画を見た。

私はベッドから動けないでいるけど。






シンヤさんとのお揃いものが欲しかった私は、シンヤさんと同じ左耳にピアスを開けた。





「セックスより痛くないだろ?」

シンヤさんが安全ピンで開けてくれたのだ。

思ってたより痛くない。

血だって出てない。

初体験の時といい、私って血液が少ないのかな?


「いつまでも安全ピン刺したままじゃまずいし、俺のピアス、貸しててやるよ」

シンヤさんが貸してくれたのは、サファイアのピアス。

鏡を見ると

左耳に光る青いサファイア。


大人になるには、何だって痛さを伴うんだ。


それでも

初めて開けたピアス

大人になった体

急激に大人びて行く自分に

自分自身が1番戸惑っていた。



シンヤさんが教えてくれたもの

中二の夏に私が覚えたもの


恋と夜遊びとピアスとセックス。

それから


タバコ。


シンヤさんとキスするたび、タバコの味がして

でも、タバコを吸うようになってからは

気にならなくなった。

それは、今も変わってない。


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