年上の事情
「ど、どうして!?ねぇ、どうして!?」

「元カノから電話があったんだ。ヨリを戻したいって。だから――――――」



シンヤさんに電話をかけて来たその元カノは、シンヤさんと同い年の19歳。

あの日―――ノゾミちゃん達と夜遊びをした日にフラれたらしい。

ノゾミちゃんのお兄さんが
「パァーッと遊びに行こうぜ」と、シンヤさんとノゾミちゃんを誘って

そして、私の事も誘ってくれたらしい。

「ヤダッ、別れたくないっ!私、元カノに勝てるように頑張るから!だから別れるなんて言わないで!」

「いい加減にしてくれよ…。っていうか、普通に気づけよ。中学生のガキなんか相手にするわけねぇだろ!恥ずかしいんだよ!」











あぁ、なぁんだ。

別に、本気になってくれてたわけじゃなかったんだ。

そりゃそうだよね。

こんな子供、相手に何かしないよね。

馬鹿だな、私。

あんなかっこいい人が私を好きになってくれる訳ないのに。



それでも――――――…



「うぅっ、ひぃ、ひっく…」


干からびるんじゃないかと思うぐらい、次から次へと涙がこぼれる。

< 19 / 34 >

この作品をシェア

pagetop