年上の事情
「せっかく二重になったんだからちゃんとメイクしようよ!絶対ゆいちゃん可愛くなるよ!」

「え?で、でも…」



オデコにかかってる髪をピンで止められ、顔にいろんなものを塗られた。


まず、化粧下地

それからファンデーション

ん?あれ何だろう?

あ、目に塗るやつか…

あ、あの凶器みたいなハサミは何だろう?


「いったーい!」

「あは、ごめんごめん。このビューラー使い難くて…」

び、びゅーらー?

あー、びっくりした!

瞼が超痛い。



メイクって大変だな。

私なんて薬用のリップクリームしか持ち歩いてないのに。

「出来た!はい、鏡見て!」

「わっ!ゆいちゃん、凄い可愛くなった!」


鏡を見た瞬間、本当に男の人の気持ちがわかった。

詐欺だ…


私ってこんなに目、おっきかったっけ?

こんなにお肌つるつるだったっけ?


中学2年生、メイク初心者の当時の私にすれば、ファンデーションの威力にただただ脱帽するしかなかった。


「ゆいちゃん、元々可愛いんだからメイクした方がいいよ」

「そうだよ。もったいないよ」


気を使ってくれてありがとうね…。

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