年上の事情
何もかもが初めてだった、この夏。

私の「初めて」を全て捧げた人。

愛情がなくなったというなら、まだ諦められた。

いい思い出に出来た。

でも


最初から遊びだったんだと思うと


思春期真っ只中だった私は


心をえぐられるような気持ちになった。



嫌いになれたら楽なのに。



あんな男だったと見抜けず、浮かれてた自分に腹が立って

悔しくて

また涙がこぼれた。








あの日から、私は男を信用出来ないでいたんだ。



中学を卒業して高校に入学した。

私が通ってた高校はどちらかと言えば、専門学校のようなもので

料理や裁縫を教えてくれる学科や、食品製造という学科もある。

私がいたクラスは、料理や裁縫を教えてくれる「家政科」。

クラスには女子しかいなかった。


「最悪、私今日生理なんだよねー」

「昨日、彼氏に中出しされちゃった」


そんな会話が毎日、当たり前のようにクラス内で飛び交っている。

高校に入って新しい友達も出来た。

「よろしくね、ゆいちゃん」

入学式の日、私に声をかけて来てくれたこの子。

席が近いからと言う理由で話しかけてくれたのだ。


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