年上の事情
同い年は頼りないし

年下なんか、子供じゃない。

やっぱり頼りがいがあって物知りな、大人な年上がいい。

「じゃぁ、ゆいは教師狙い~」

「あはは!実はそれもアリかも!」







高校時代の私は

どちらかと言うと、太ってる部類に入ると思う。

90kg、100kgなんて事はなかったけど

身長の割には、横の幅は広かったと思う。





それでも

「相沢ゆいさん、よかったら一緒に駅まで行きませんか?」


声をかけてくれる男子がいたのにはびっくりした。










同い年なんかやだ。

もっともっと、大人な人に出会いたい。

どうしようもなく馬鹿で

トロい私をリードしてくれる

そんな人。


けど、実際そんな人が現れても

あの中二の夏の失恋を思い出すと素直に飛び込めないでいた。



本気になれば、失った時のあの痛さは半端なく辛い。

それに、いくら口で理想を語ったって

男なんか、愛情もなく遊び半分で女を抱ける生き物なのよ。

そんな生き物に

本気になって泣きっ面を見るなんて

馬鹿げてるとしか言いようがない。

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