年上の事情
プリクラ…携帯…


どれもこれもギャルの世界じゃん。

プリクラなんて取った事ないし、携帯なんて持ってないし。




『お手紙ありがとうございます。
携帯は持ってないですが、プリクラの件ならOKです。』




自分の席から手紙が無事友達に渡るように見届けた。

男の子に手紙を回すように伝えるなんて初めて。

無事に手紙は友達の手に渡ったみたいだけど、その手紙を読んだ瞬間、何故か笑われてしまった。






初めての手紙の回し合いっこ。

初めてのメイク。


初めて、髪の毛も染めたしピアスもしてみた。

みんなと同じようにスカートも短くしたり、ルーズソックスを履いたり。

その都度、先生に怒られたり親に叱られたり。

それすら楽しかった。

友達とワイワイ笑い合えてる時間が何より楽しかった。


「最近、ゆいちゃん明るくなったね」

クラスのギャルチームにも声をかけてもらった。

一瞬「てめー、生意気なんだよ」ってシメられるのかと思った。

びっくりした。


もうすぐ夏休み。

宿題や課題に追われそうだけど、私の頭の中は友達と遊べる事で浮かれていた。


< 5 / 34 >

この作品をシェア

pagetop