年上の事情
登録ったって、1人1人のアドレスをいちいち紙に書いて

またメモリーを開いて、打って。

今の携帯からは信じられないけど

私達が中学の時なんかそんなもんだった。

先生に見つからないよう机の下でこっそり返信メールを打ってた。

それすら、とても楽しかった。









夏休みに入り、私の暴走は更に悪化した。

「ゆい!?何だその髪は…」

夏休みの初日、私の髪を見たお父さんは唖然としている。

そりゃそうだ。

終業式の日、帰宅するなり思いっ切りブリーチしちゃったんだもん。

見事に金髪になった。

「えへへ。どう?似合う?」

「異国の人みたいだぞ…」


やって見たかったんだ。

TVに出てるアーティストさんみたいな

お姫様みたいなブロンズヘアー。

今にして思えば、幼い容姿に金髪なんて

アンバランスもいいとこだった。

ただのヤンキーにしか見えてなかっただろうな。


まぁ、髪型が変わったところで私の本質は変わらない。

とりあえず、自由研究と宿題にだけは手をつけるようにはした。

先にやっちゃえば後からいっぱい遊べるもん。

それに毎年夏休みには家族で旅行するし。
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