年上の事情
待ち合わせ場所は学校の校門前。

こんな時間に通い慣れた通学路を歩くなんて変な気分。

夜の空気は思ってた以上に涼しかった。

いつもなら部屋で扇風機で涼みながら寝てる時間だもん。

っていうか、私今物凄く悪い事してるんじゃ…?


中学二年の夏休み。

悪い事をしているという罪悪感と

見た事のない世界へ踏み込む好奇心で

私の心臓はドキドキしていた。




「ゆいー!」

待ち合わせ場所に近づくと、ノゾミが手を振りながら私のそばへ駆け寄って来た。

うわ、ノゾミちゃんの私服、凄く可愛い。

ヒールなんか履いて、超大人って感じ。

「歩いて疲れたでしょ?こっちこっち」

私は…

オシャレしたつもりだけど、Tシャツにジーンズにぺったん靴。

やっぱ、場違いだよね。


校門前には白のセダン車が停まってる。

中には男の人が2人。

「兄貴ー、友達連れて来たよ」

ノゾミが外から運転席の男性に声をかけた。

って事は、運転してるのがノゾミちゃんのお兄さん?

ノゾミと一緒に後部席へ座った。
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