Melted Love 〜溶ける愛〜
「ケイ…久しぶりに会って他に言うことないの?」
私が返事をしないと分かっていて、それでも会えば口癖のように聞いて来る。
まさか、1年ぶりの再会でも同じ事を言われるとは思っていなかったけど。
『久しぶりだから余計に聞きたくなるだろ?』
カラになったグラスの中の氷を弄ぶように、片手でカラカラと慣らすと、少し首を傾げながら真っ直ぐに見つめて来る。
アタシが答えない…いや答えられない事など解りきってるくせに、このやり取りを楽しむように挑発的な瞳を揺らす。
きっと…私はこのグラスの氷だ。
ケイの掌の上で転がされ、弄ばれ、最後にはドロドロに溶かされてしまう運命。