Melted Love 〜溶ける愛〜


「ケイ…久しぶりに会って他に言うことないの?」



私が返事をしないと分かっていて、それでも会えば口癖のように聞いて来る。



まさか、1年ぶりの再会でも同じ事を言われるとは思っていなかったけど。



『久しぶりだから余計に聞きたくなるだろ?』



カラになったグラスの中の氷を弄ぶように、片手でカラカラと慣らすと、少し首を傾げながら真っ直ぐに見つめて来る。



アタシが答えない…いや答えられない事など解りきってるくせに、このやり取りを楽しむように挑発的な瞳を揺らす。




きっと…私はこのグラスの氷だ。



ケイの掌の上で転がされ、弄ばれ、最後にはドロドロに溶かされてしまう運命。



< 3 / 48 >

この作品をシェア

pagetop