秘 め ご と 。
「はあ…やばっ。救心…!」
本当久しぶりに全力で走ったから心臓が出て来るんじゃないかってくらいドクドクしてる。
綾瀬くんも目の前で前屈みになってゼーハーしてるから、彼も運動部では無いかもしれない。
「…俺は負ける訳にはいかないっ!」
早くも呼吸を安定させ始めた綾瀬くんが、また走り出そうとする。
…これでは負けてしまう!
しかたないな…っ
最終手段を使おう。
「あ…綾瀬くんっ…苦し」
私は、口を押さえるとその場にしゃがみ込んだ。
…綾瀬くんには、申し訳ないがこれも勝つため。
「…うおいっ!どしたー!?大丈夫かよ…っ」
すぐさま駆け寄ってきた綾瀬くんに、隠した口元でにやりと笑い
隙をついて走り出そうとした時…