秘 め ご と 。


「…うーしっ!じゃあ、片桐ここから教室まで競争すっ…」


━バシッ


いつの間にか泣き止み、ドアの前に立った綾瀬くんが少し鼻声で話しかけてくる。


…先生に教科書で叩かれてるけど。



「…あっと、片桐は残れ。綾瀬は戻っていいぞー」



「あーっ!先生、片桐にやらしいことする気だー!」



「…お前は小学生か?次の授業のプリント持ってってもらうだけ」



「えー…じゃ、俺も手伝う!重い物は女子に持たせんなよ〜」



「お前に持たせたら原型無くなるだろ?…少ないし、俺も持つから大丈夫」



ほら、と言うとまだ不満そうな綾瀬くんを強制的に部屋から追い出してしまった。




「…片桐」




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