記憶
記憶
その日から
私はなるべく顔上げて歩くようになった。
しばらくしてから
お気に入りだったミュージシャンが駅前から消え
新しい人がその場所にいた。
あの日から君とも会う事も、ない。
今の私には、
転びそうになった時
優しく支えてくれる人がいます。
それは君じゃないけど、
今でもたまに思い出す。
「そうやって下ばっか見てるから転ぶんだよ」
呆れたような君の声が
小さく聞こえた気がした。
あれは、私の初恋の記憶。