恋には少し足りない
「美緒~」里香が満面の笑みで走ってきた。
「里香おはよう。今年も同じクラスだよ」
「やったぁ~あっ沙耶も一緒だ~」
「そうそう。楽しくなりそうだよね~」
「本当~楽しくなりそう♪」

私は嘘っぽく聞こえないよう明るく答えた。
女子校でうまくやるには嘘も言わなければいけない。

波風を立てず平穏に過ごすのが一番いいと思うから。
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