駆け引き×スクープ!!





†side:壱十†




夏梨名ちゃんを抱きかかえて、工場から出る。




「君!大丈夫か!?」



「そちらの女性は!?」



「救急車の手配を」




そう言って、
人混みを避けていく。




「じぇんぱぁぁい~!!づぶブッ!」




駆け寄った神田の顔面を蹴りつつ、




少し離れた所にあった水道を見つけ、
そこに行く。




ーシャァァアア……




蛇口をひねり、水を出す。




「イッ…痛い…!!」



「我慢しろ。火傷しかけてる。」




夏梨名ちゃんの背中に水を掛ける。




服を着たまま水を掛け、少しずつ、皮膚が剥がれない様、慎重に服を脱がす。




「………ッ…」




痛みに顔を歪ませる彼女を見ながら、




危険にさらせてしまった自分を情けなく思う。




「…ごめんな」



「ハァッ…大、丈夫です……」




そう言って、笑った彼女を、凄く綺麗な女性だと思った。




胸元にはペンダントが光っていた。








< 134 / 144 >

この作品をシェア

pagetop