駆け引き×スクープ!!
†side:壱十†
夏梨名ちゃんを抱きかかえて、工場から出る。
「君!大丈夫か!?」
「そちらの女性は!?」
「救急車の手配を」
そう言って、
人混みを避けていく。
「じぇんぱぁぁい~!!づぶブッ!」
駆け寄った神田の顔面を蹴りつつ、
少し離れた所にあった水道を見つけ、
そこに行く。
ーシャァァアア……
蛇口をひねり、水を出す。
「イッ…痛い…!!」
「我慢しろ。火傷しかけてる。」
夏梨名ちゃんの背中に水を掛ける。
服を着たまま水を掛け、少しずつ、皮膚が剥がれない様、慎重に服を脱がす。
「………ッ…」
痛みに顔を歪ませる彼女を見ながら、
危険にさらせてしまった自分を情けなく思う。
「…ごめんな」
「ハァッ…大、丈夫です……」
そう言って、笑った彼女を、凄く綺麗な女性だと思った。
胸元にはペンダントが光っていた。