バナナオ・レ
「嘘だ嘘だ嘘だー!!!」
ついにあたしはおかしくなった。
あの時は、先生の笑顔が憎かった。
「先生が凛音ちゃんに嘘をついたことなんてあるか?」
「・・・っう」
次から次へと出てくる涙。
「やばいよぉ・・・先生、涙とまんないよぉ」
「どうぞ」
ポケットからハンカチを出して、そっとあたしのほっぺにあてた。
「先生大好きぃ」
「告白、今日は何回目だぁ?」
そう言って先生は、荒れ狂ったあたしを優しく包んでくれた。
「今日はね、家でゆっくり休むんだよ。おばあちゃんも待ってるよ」
「さよなら!」
痛くなるくらいたくさん手を振って、あたしは病院を出た。
少し歩いて振り返ると先生はまだ、手を振ってくれていた。