バナナオ・レ
「俺によくそんな事が言えたな。あ?偽ヤンキーバイ菌」
そう言い放つと、ウジ虫は右手を高く上げて拳を握り締めた。
やだ・・・っ殴られる!!!
ん?
何にも痛くない。
恐る恐る片方の目を開けると、ウジ虫の拳を抑えた見知らぬ男の子が立っていた。
「君、大丈夫?早く帰りな!」
やばい・・・超かっこいい。
でもやっぱりあたしを小学生と勘違いしている。
「こんな路地裏歩いちゃいけないよ!」
思いっきりのさわやかな笑顔で彼は右手をGOODの形にした。
「お兄ちゃんに任せろっ」
お兄ちゃん・・・(笑)
「ありがとう!」
そう言って、あたしはサっと路地裏を去っていった。