バナナオ・レ
さっきまでフザけ合ってたのに、いきなり真面目な顔をしてあたしの顔を覗き込む音羽。
「あたしはいつも臆病だから」
「そだよね。強気に見えて・・・ね?」
「だね・・・・」
しんみりしていると音羽があたしの頭をクシャクシャと撫でた。
「悩んだ時はいつでもウチに言うんだよ!」
「うん。ありがと」
音羽はあたしの事を1番わかっている存在。
もちろん、病気の事も知っているし。
先生を大好きだと言うことも。
「凛音って先生が好きなんでしょ?」
「そうだよ」
「慶太のことも好きなの?」
あ、そだよね・・・
先生が大好きなハズなのに、あの人にも惚れたなんて。
あたしはどっちが好きなんだろう。
でも多分・・・
今のあたしはどっちも同じくらい好きだ。