バナナオ・レ




あたりを見回すと、一番奥のベッドのカーテンがゆらゆらと動いてるのがわかった。

さっきの声の人だな?とは思ったけど、知らない人だったらどうしようという不安に駆られた。



ガラガラガラ・・・



ゆっくりカーテンが開いた。

でも中の人は出てこない。

勇気を出して覗こうとすると・・・



「妹ちゃ~~ん♪」



先に声が聞こえてきた。

こんな事いう人はあの人しかいない。



「お兄ちゃん??」

「あったりー♪」



お兄ちゃんはピョコっと顔を出して、あたしの前に立った。

「俺、お兄ちゃんじゃないよ?」

「なんで?」

「なんで?って・・・そんな可愛い顔で何言う~!?」

そう言うと、お兄ちゃんは手をバンバンと叩いて大声で笑っていた。


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