グッバイ。
those days
――――…
片付いた部屋を見渡して
最後に残ったクリスマス仕様のBOXと
一枚だけ残した写真を飾ったフォトフレーム
今よりずっと幼く見えた私と君
春になったらすべて手放していくのに
君との思い出だけは
なぜか、形にしておきたかった
そうすればきっと
どこかで君が覚えていてくれるような
そんな、気がしたから
「・・・じゃあね。」
小さく呟いた声は
明日から新しい道を歩くために告げた
始まりの合図
何もかも君と過ごしたすべてが
愛おしかった日々
遠い日の記憶も
今は懐かしい過去
フレームから抜き取った写真を
そっと手に取り
手紙とともに便箋に入れた
「バイバイ。」
最低限の荷物だけ持って部屋を後にする
私は、この手紙を
宛て名なしでポストに入れ
自分の行くべき場所へ向かった_.。