先生の秘密
……、えっと。
どういう反応をしたらいいのか分からない。
こういうことを言われたのは、初めてだ。
しかも、完全無欠の生徒会長様に。
先生が仲良くなる前に私が仲良くなっちゃって、いいのかなと思いながら。
「も、もちろんですよ」
「じゃあ、私のことも七緒って呼んでくれて構わないから」
な、何と恐れ多い。
いや、さっきまで言いたい放題言っていた私が、何を今更という感じだが。
「それと、青葉ちゃんには言っておこうと思って…」
「?」
何故か顔を赤らめながら、モジモジとし始める先輩。
正直、隠し事とか言われても困るのだが、と顔に出さず、曖昧に笑う。
「私ね、実は……
理事長のことが、好きなの!」
なーんだ、言いたいことってそんなこと。
って、え?
「え?」
「青葉ちゃん、愚痴みたいなこと聞かせちゃってごめんね。でも、よかったらまた、話聞いてやって。じゃあ」
先輩は最後にそれだけ言うと、颯爽と去っていった。
…………
……………
………………
…………………。
…どうしよう。