先生の秘密
第十一章 保健室の番人
ゴールデンウイーク明け。
「はい、おはようございます。皆、欠席もいないようで、先生は安心した。連休明けできついかもしれないが、一日頑張ってくれ」
気をつけ、礼。
ありがとうございましたー。
「青葉?あおばー」
ぼーっと窓から校庭の様子を眺める。
まだどこのクラスもHR中で、当たり前だが校庭を出ている者は誰もいない。
「あ・お・ばー!」
ゴンッ、と頭に衝撃が走る。
我に返り顔を上げると、心配そうな先生と、驚いたようなはつかと、教科書を構えて怪訝な顔をした聖が私を見ていた。
「本庄、具合が悪いのなら保健室に行ってきなさい」
……頭痛がします先生。
「だ、大丈夫ぅ?青葉」
…これが大丈夫そうに見える?
「アンタ、顔悪いわよ?」
…それを言うなら、顔色がじゃないでしょうか。
でも、確かにさっきから頭がガンガンと痛むし、心なしか暑いような気がする。
「あー…、ちょっと触るぞ」
先生は柄にもなく、優しげな声でそう呟くと、私の額に掌を当てる。
冷たくて、気持ちいいー。
「本庄、お前すごい熱じゃないか!悪いが、こいつ保健室に連れて行くから」
そういえば、今日の一限目、数学だったような。