先生の秘密


「それもあるけどー…。青葉チャンって意外と鈍感?」


「支倉先輩、もういいでしょう?見回りはここで終わりなんですし、異常は見られませんでした」


何か言いたそうな支倉さんを、津川くんが遮る。


支倉さんは少し思案顔になり、すぐにパッと顔を上げた。


「そうだね、あんまり授業に遅れるとみーちゃんから小言言われそうだし」


「みーちゃん?」


「じゃあ、行こうか津川くん。青葉チャンもゆかりちゃんも、またね」


そう言うと、津川くんの腕を半ば無理矢理引っ張って、保健室を去っていった。


…嵐みたいな人だ。


というか、結局みーちゃんって誰だったんだろう。


鈍感って言われたのも気になるし。


だけど、やっぱりどこかで見たような気がするんだよなぁ。


「相変わらず、飄々とした子よねぇ」


「…うん。油断ならないっていうか、末恐ろしいっていうか」


よく、分からない人だ。



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