先生の秘密


それは、私が霞さんを家族だと思っている証拠か。


何となく、嬉しくなる。


って、そうじゃなくて。


そういう考えがあるからっていうのももちろんあるのだけど、多分それより大きい要因は、霞さんが女性的思考を持っているからだと思う。


霞さんがああなってしまったのは、私達のせいでもあるのだから、何とも言えない。


まぁ、とは言っても、霞さんは母性があったり可愛い物や綺麗な物が好きなだけで、恋愛対象が特別に男性というわけではないらしい。


霞さんによれば、可愛い子なら誰でも好きよ?らしいけど。


内海先輩はどっちかっていうと、可愛いより綺麗系、なのかな。


霞さんのタイプなんて正直どうでもいいと思っていたけど、ここに来てきちんと聞いておけばよかった、と後悔。


今度、伊勢崎さんにでも聞いておこうか。


「本庄?」


はた、と我に返る。


返事のない私を不思議に思ったらしい。


私の顔を覗き込む先生の顔がまた心配そうだ。


「やっぱり、まだ熱があるんじゃねぇのか?」


そう言って手を伸ばしてくる先生に、びくっと大袈裟に反応してしまい目を固く閉じる。



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