先生の秘密
「で?はつかは聞いてた?」
「へ?何が?」
はつかはぽぉーっと間抜けな顔で体育館脇に下がる藤島先生に見惚れている。
…ダメだ。こいつら早く何とかしないと。
「何で私の周りには馬鹿ばっかりなんだ…」
「青葉に言われたくないと思うけど」
否定はしない。
「確か、あと二人はいたわよ。新任」
「あ、そうなの?」
「うん。名前は忘れたけど」
「関係のある先生なら授業でまた自己紹介するっしょ」
ちらり、と脇に目を向けて見れば確かに先程ステージにいたような気がする。
「そろそろ教室戻ろ。教科書とか取りに行かないといけないし」
「そうね。はつかは置いとく?」
「賛成」