先生の秘密
さすがに二年目ともなるとクラスメートの言動くらい分かるようになるのか。
いや、ただみんなの行動パターンがワンパターンなだけかもしれないが。
「この薄情者共ぉぉ!!」
後ろからの叫びには無視するのが一番だ。
「無視すんなっ!」
「ゲフッ!」
…思いっきり蹴られた背中がヒリヒリ痛い。
はつかめ…覚えてろよ…。
「つうか何で私だけなんだよ!」
「聖は報復が怖いじゃん!」
くっそ…なかなか賢い生き方しやがる。
「何バタバタと騒いでいるんだ」
突然聞こえてきた少しだけ低い声にクラスメートのテンションはマックスに跳ね上がった。
「藤島先生ー!!」
「キャーー!やった!!」
「先生が担任なのー!!?」
「あー…静かにしろ!俺が今日からここの担任だ。一応自己紹介言っとくか」
そう言うと、藤島先生は黒板に白いチョークで自分の名前を書きはじめた。
『藤島蓮』
「ふじしまれん、だ。よろしく」