先生の秘密
第三章 先生の秘密発覚!?
結局学級委員長は、愛川さんになった。
ここで勘違いして欲しくないのは、彼女もこのクラスの生徒だということだ。
外見は正に優等生の王道ファッションだとしても、伊達にこのクラスと一年間一緒に暮らしていない。
彼女の思考もまた皆と同様、つまり先生に目がハート状態だ。
ここまで似てると、いっそ悲しくなってくる。
そして、今現在。
私は絶賛パシられ中である。
「先生ー、ちょっとは運ぶの手伝ってくださいよー!」
「えー…」
「女の子一人にこの量運ばせるなんて鬼畜ぅー」
「人聞きの悪い」
新学期早々授業の方が何となく鬼畜な気もするが、よろける私を助けようともしない先生には皆の気持ちがさっぱり理解できない。
顔だけの男なんてそこら中にいるじゃないか。
違った。少なくともこの学校にはいないんだった。
「うわっ」
思わず段差に躓く。
グラリ、と倒れそうになる教材にひやり。
ほっと胸を撫で下ろすと、いつの間にか先生が隣で私を見下ろしていた。
無駄に背が高いんだから、威圧感がある。