先生の秘密
そうなんだよなぁ、と私の考えに肯定しながら首を傾げる先生。
津川くんの行動は意味が分からない。
推測ならいくらでもできるが、本人に聞かないことには解決しようもないし。
「あー、それとだな…もう知ってるとは思うが、というか今言ったことでもあるんだが、生徒会の顧問になった」
「……知ってました」
ぷいとそっぽを向いてしまい、子供っぽかったかなとすぐに反省した。
別にそこまで怒っているわけでもないのだが、何となく気に入らない。
「そうか…、お前に相談するって言っておきながら、勝手だよな」
一応、謝罪の気持ちはあるらしい。
「それで、今まで音沙汰なしで、本当に自分勝手だとは思うんだが、相談役まだ受けてくれるか?」
「何を今更、嫌だって言ったら離してくれるんですか?」
「…質問を質問で返すのは頂けないな」
苦笑する先生に、私はわざとらしいくらいの笑顔を貼付ける。
「離すわけないだろ、馬鹿」