先生の秘密


もしかしたら、先生の案内役に内海先輩をつけたことに何か意味があるのかもしれない。


「結果オーライだったんだから、よかったんじゃないですか?」


「まぁ、内海に近くなったのは確かだけど」


どこか釈然としない表情ながらも、嬉しそうだ。


今まで本当に好きなのか分からなかったけど、こんな表情を見せつけられたんじゃ信じるしかない。


「先生、内海先輩のどこが好きなんですか?」


「…は」


気がついたら、そんなことを聞いていた。


聞かなきゃよかった…。


と、すぐに反省するはめになったのだが。


だって、相手はあの内海先輩だ。


生徒会長様なのだ。


悪いところを探す方が難しいくらいなのに。


しかし、


「どこが…」


そう言ったっきり黙り込んでしまった先生。


何かまずいことを聞いただろうか。


「……っ」


先生の顔を覗き込んで、思わず息を呑んだ。


というか、納得した。


片手の甲で口を押さえて、耳まで真っ赤になった顔を隠すように俯いていた。


こっちが恥ずかしくなってくる。



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