先生の秘密


「ひ、聖?」


「ふぅん、そうなんだふぅん」


ニヤリ、と意地悪な見慣れた笑顔に嫌な予感がジリジリと身を焦がす。


「いかがわしいことは、しちゃダメよ?」


………………。

…………………。

……………………。


「そんなわけないじゃん!」


「その間は何よ」


先生と私で変な想像するなっ!


「大体、そんな可能性は一ミクロンほどもありません」


「あぁ、青葉のタイプはショタだもんね」


ショタって…。


「聖だって、いっつも連れてくる彼氏は、地味で冴えない人とかぽっちゃりした不細工な人ばっかりじゃん」


今までイケメンな人と付き合っているところは見たことがない。


顔で判断するのはどうかと思うけど、正直聖のレベルだったらもっといい人いるのにと思ってしまうのは仕方ない。


そのかわり、性格はすごくいい人ばかりだったのは否めない。


ぽっちゃり系でも、絶対不潔な人はいなかったし、冴えない人でも気の利く優しい人ばかりだった。


人を見る目はあるのに、すぐに別れてしまう理由はやっぱり本人に問題があると思う。



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