先生の秘密
「何か、嬉しそうね」
「だって実際、嬉しいじゃない」
「まぁね」
二人で顔を見合わせて、ニシシと笑う。
ここにはつかがいれば、もっと盛り上がるんだろうな、なんて言いながら。
ちなみにはつかの部屋は、私達とは別の階だから、そう簡単に訪れることもできない。
確か、同じ部活の同学年と部屋が一緒だったような気がする。
「それまでには、課題終わらせときなさいよ」
「……」
藤島先生が課題を作成していたことを思い出して、私は表情を青ざめる。
聖もはつかも頭がいいから、課題だって一日で終わらせられるだろうが、私の専らの問題は数学だ。
考査の勉強もしなくちゃいけないし。
「はぁ…、霞さんとシスターには私から連絡しておくわ」
「あ、うん。ありがとう」
呆れたようにため息を吐く聖に苦笑いを浮かべる。
『なんでアンタなんか生んじゃったんだろ』
『アンタ、邪魔なのよ』
『ごめんね、ごめんね』
『死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね』
『なんで、どうして』
『ねぇ…………
どうして、アンタが助かったの…?』