先生の秘密
第九章 ゴールデンウイークの過ごし方!?


ゴールデンウイーク二日目、私と聖とはつかの三人は、常陸園グループの経営する孤児院に帰省していた。


本来なら初日から来るつもりだったのが、私の課題がなかなか終わらず、聖とはつかに泣きついてやっと終わらせたのだ。


誰か私の努力を褒めてくれ!


「ひじり、はつか、あおばー!!」


ギャワー!と飛び掛かってきた小さな友達に、そんな考えも吹っ飛んだ。


更に門をくぐると、5歳から10歳ほどの歳の子供達が手を振って出迎えてくれた。


毎回来る度に癒される瞬間だ。


「あら、青葉さん、聖さん、初夏さん。お帰りなさい」


「「「ただいま!」」」


三人で声を揃えてシスターに向かう。


前より少しだけ白髪の混じったシスターは、柔らかい表情で微笑んだ。


「あそぼーよー!」


さっき飛び掛かってきた男の子、敦史(アツシ)が私の手を引いて中に入っていく。


シスターはまぁまぁ、と言いながら聖と初夏を促している。


孤児院、天使の庭(Ange lyard)は、親に捨てられたり虐待を受けていたりと、家族に問題のある子供達を預かり育てる施設だ。


私達三人も、昔ここで世話になっていた。



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