裏の光
気持ち
どんなのかな…
君が見てる世界ってのは。


聞こえてくる 雨の音。
光のささない あの窓の外には
どんな景色が広がってる?
光を閉ざしたこの部屋から
光を閉ざしたこの心から
一歩外に出て覗いた世界は
やっぱり光のない場所だった。


僕にとってはあの石ころも
手の平の上の百円玉も
なにも変わらない灰色に見える。
「自分」てものが嫌になって
そう思わせる「みんな」も嫌で
選んだ「独り」っていう世界には
「色」ってものが一つしかなかった。


悲しい 苦しい 辛いのに
涙流せない自分がいる。
仲間の心が離れたとき
すっごく痛い胸の中の
傷を少しでも和らげたくて
選んだ「孤独」っていう世界には
求めるものは一つもなかった。

こんなに深い傷痕を
残した「仲間」ってやつの裏側は
こんなに痛い傷をも癒す
深い深い愛だった。
あんなに泣けなかったのに
いとも容易く涙が流れる。
苦しい 辛い の裏側は
嬉しい 暖かい なんだね。
だからこの泣き顔の裏側は
とびっきりの笑顔なんだよ。


そういえば 春。
閉じこもって見逃した桜。
一番好きな季節なのに…
また来年を待てばいいか。
ポッケに手を入れて歩きだす。
コツンと触れた百円玉。
裏返してみた裏側には
見たかったものが
ずっと在った…。
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