~.*+. FULL MOON .+*.~ 【罪の終わり】
その頃、私は由紀ちゃんと話し終わった頃だ。
その時。
「舞ちゃん、呼んでるよー」
クラスの川谷さんが呼んだ。
ーーー愛美先輩だ。
「はいなんですか?」
「あ、やっぱり」
先輩は不気味な声で言った。
「あの、何なんですか?」
私は何も知らないフリをした。
「いや、あの加恋が意味わかんないこと言い出して、なんか勝手に自分の髪切って舞ちゃんのせいにしてるの」
「えっ?」
私は驚いた顔でそう言った。
「なんか病気なんだと思う」
「そうですかぁ・・・」
その時、隣のクラスの愛奈ちゃんがきた。
「何の話ですかぁ?」
「いや、あの加恋ってこ、頭おかしいんだよね」
愛美先輩が愛奈ちゃんに説明した。

噂はすぐ学校に広まった。
次の休み時間になるまでには、みんなから「舞きいたよー」と言われるようになった。
楽しくて仕方がない。

チャイムが鳴り、国語の教科書を開けた。

その時。

加恋先輩がクラスに入ってきた。
あの無茶苦茶の髪で。

入ったとたん、みんなが笑い出し。
「何その髪!」
「おまえ頭おかしいんじゃねーの?」
「君!三年生でしょ!なぜ一年生の教室にいる!?授業中だ!戻りなさい!」
クラスはまだみんな笑ってる。

本当は、私もここで笑いたかった。
先輩にひどいこといいたかった。

でも、笑顔なんか私にこれっぽっちもない。
なぜなら・・・
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