~.*+. FULL MOON .+*.~ 【罪の終わり】
「どうぞ」
私は携帯を先輩に渡した。
「サンキュ」
先輩は嬉しそうに微笑んだ。
「メールするね。うちらもう友達だし」
ーーー友達?
先輩からそんなこと言われたのはじめてで、ビックリした。
思わず目を丸めてしまった。
「…」
無言になってしまった。
気温が35度以上の部屋は、暑い。
静かな教室。小鳥の声が耳に入る。
しばらくの間、時間が止まった気がした。
すごく嬉しかったんだ。
無言の中、先輩はちょっとだけ笑い、出て行った。

部活の時も、今日はまたペアで練習する日だ。
いつもなら一年は一年、二年は二年、三年は三年と一緒に組むのだが、
「一緒にしよー」
加恋先輩が話しかけてきた。
周りのみんなが静かになり、注目された。
「はい!よろしくおねがいします」
私は張り切って言った。
なぜか今日は、とても絶好調にだった。
私は先輩と家が近所だった。だから、今度は私から

「加恋先輩、一緒に帰っていいですか?」

「もちろん」

なんかこの時、先輩の優しさに恐怖を持った。
でもどうせ気のせいだと思い、私たちは歩いた。
学校の話、友達の話、色々と話していた。
周りにいる一年生からは不思議な顔で見られ、
そうやって目だってる自分が好きだった。

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