幸せよりも欲しいものは何ですか?
私は、春樹の腕の中で目を覚ました。

まだ外に太陽の姿が見えない

薄暗い朝方の時間らしい。



春樹の寝顔を見つめ思う。



(私を地獄まで連れて行って。
そして鎖で繋いで。
あなたから与えられる苦しみなら
私は…。)






『…ん…。』

春樹がうっすらと目を開けた。





目が合う。





そのまま春樹は何も言わず、

力いっぱい私を抱きしめた。

男の人の力は強くて、痛いくらい抱きしめられたけれど

あなたの力を感じると、痛みが増せば増すほど、
安定剤のように私は、落ち着いた。
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