幸せよりも欲しいものは何ですか?
『ビックリしたよ。春樹が一年以上誰かと付き合うと思わなかったし、一度別れたのに、ヨリを戻すなんて珍しいからね。
大事にされてるんだよ。
だから遊び人の癖はたまには見逃してあげてね。』



私以外の人と遊んでるとか、疑惑が上がった事だってあったが

正直どうでも良かった。



『遊ばれてる女』なんていつか捨てられるんだから私には関係ない。


私が

私が気になってんのは




『本当に大切にされてる女』


なんだから。






『でもね~正直ヨリを戻すとは思わなかった。
春樹は結構、後先考えない所あったりするからね。

でも恋に…

誰かに依存するのは危険だからね。

自分の心が

壊れてしまいやすいからさ。』



「………。」



『さ、俺は行くよ。会計払っておくね。』



卓斗は伝票を持って席を立った。




私は


立ち上がれずに


魂を抜かれた感じだった。



だって



卓斗が言った事は



つまり



依存するな



いつか



居なくなる相手だから…



そう忠告されたんだと思う。



あの柔らかな口調で。


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