幸せよりも欲しいものは何ですか?
産みたいという気持ちで
簡単に産むわけにはいかないと分かっている。


それなりの覚悟と

温かくて強い手が必要。



そんな不安を抱えながら、数日が過ぎていく。


春樹からお誘いがきても、出来るだけ丁寧に断る。



そんなある日


会社から出て、帰宅途中…


駅のホームで見覚えのある姿を発見した。



「…佐藤さん…?」



家の方向は違うはずなのに。


『あ、仕事お疲れ様。体調は良くなった?』

「まぁ、はい。」

『そう、良かった。』

「ところで何で佐藤さんがここに?」

『うん、ちょっと用があってね。あ、途中まで一緒に行こうよ。』

「…はぁ。」



あまり佐藤さんと一緒にいて良い感じはしなかったけど

うまく断れず、途中まで一緒にいる事になってしまった。
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