幸せよりも欲しいものは何ですか?
俺はいつものように、君を遠くから見てた。

そしたら、凄く顔色悪くて今にも倒れそうになってたから

俺は駆け寄って、大丈夫?って声をかけた。

そしたら、凄く驚いた顔して俺を見た。

凄くビックリして

ずっと俺を見てた。


それが

それが


なぜか快感に思えた。


変 なのかな…


それからまた君を驚かせたくなって

駅のホームで君に会った。


君のマンション、

斜め向かえのビルに入ってるレストランから

君の部屋を見た。


そしたらまた具合悪そうに寝るから

心配でメールしたら

本気で怖がってるんだもん。


もっと、色んな表情を見たかった。



ずっと ずっと見てた。


自分だけのものに

したくて…っ』



佐藤さんが話し終わったかどうか、


一瞬だった。




春樹が右手だけで、佐藤さんの顔を顎から掴み

グッと上に上げてる。



「…春樹っ!」



『30歳になって、ガキみたいなふざけた事してんじゃねえよ…。』


春樹は決して声を荒げる事なく、あくまでも冷淡な口調だった。

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