幸せよりも欲しいものは何ですか?
私達は部屋に戻ると、お風呂に入って体を温めた。



『てゆうか、体すっげぇ疲れてるんだけど、マッサージして!』


いつもように私は春樹の体をマッサージした。



佐藤さんの事について春樹は何も言わない。


感謝しろっていう態度でも無いし

自分の勝利を誇り高く話す事も

佐藤さんの悪口すら


何も話さなかった。



私にありがとうと言う隙間すら作らせてくれなかった。





知ってる。


春樹はそういう男だ。



見え見えではない優しさが

何より好きだった。






マッサージしながら、

私は赤ちゃんの事

ちょっと怖いけど

この体勢なら目合わないから

お互い話しやすいよね。

もしかしたら

もう話す事も無くなってしまうかもしれない。

でも話そう。





私の宝物について。


「ねぇ春樹聞いて。」

『あ~?』





春樹


どんな表情して



聞いてくれるのかな?












春樹



何度も

何度も


私は心の中で



あなたを呼んでいるよ



今も



ずっと。


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