幸せよりも欲しいものは何ですか?
春樹は洗った灰皿を、再びテーブルには置く事無かった。



手を拭いて戻って来ると、


『寝るか?』


いつもの口調で声をかけてきた。


「うん。」



私はいつものように、春樹の腕に包まれ寝る。



そして、



小さな声が聞こえた。



『何も言えなくてごめん。 頭の中で整理する時間くれない?』


「ううん、大丈夫だよ。ありがとう。」




それから言葉を交わさず私達は目を閉じる。




やっぱり私は眠れなかった。


平然を装って話してはみたが、
明るく話してみたが、



本当は凄く不安で

震え上がってしまいそうだった。


今後だって

どうすれば良いだろう。


まずは実家に行き
親にも話すべきだろう。


私1人で、どうにか出来る問題じゃない。


母の知識と力が必要だ。



でも

春樹の…

父親の事はどう説明したら良いんだろう。






分からない。



どうすればいいの?


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