幸せよりも欲しいものは何ですか?
そんな幸せな生活に変化が出たのは
愛結が小学2年生になった頃からだ。


「春樹お帰り。」

『…あぁ。』


ある日も


「春樹ご飯出来たよ。」

『…。』


黙って食事につく。



『パパ、今日ね宏君と一緒に遊んだの。』

『そぅ…良かったな。』

愛結の頭をポンと触れて布団に入ってしまった。



少しずつ

本当に少しずつ


春樹は会話を減らしていった。


少しずつの変化だったから

愛結は、気付いてない様子だったが


私はすぐに分かった。



春樹が私達と会話しないようにしてる事。

愛結を傷つけないように徐々に変化を付けてる事。

そしてその理由までも。



傷つけないようにしてる。


けれど


残酷な人だよ

春樹は…。


< 190 / 217 >

この作品をシェア

pagetop