幸せよりも欲しいものは何ですか?
春樹に優しくされればされるほど、私は泣きたくなった。

春樹にこうして抱かれると、全身の力が抜けていく。
嫌な事も 何もかも、忘れられる気がした。


『好きだよ』


春樹が耳元で囁く。





その瞬間、私の頭の上にクッションが投げられてきた。

「ぃたっ!!」

『ぁははは笑! バカ!!』


春樹は笑って私の頭を叩いてきた。
春樹は好きとか口に出すの苦手だもん。
恥ずかしかった?


『お前なんてバカ過ぎて人間終わってるな。』

「まだまだイケるよ!」

『…あぁ…』

「ぇ、適当!??」


私達はいつものように笑って話していた。
私の寂しさを紛らわすかのように、ストレートではないけど
目に見えない優しさで
私を救ってくれた。


そんな春樹だからこそ
余計に元カノの不満を
言えないんだよ。
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