幸せよりも欲しいものは何ですか?
『…何お前…年寄りくさくなってるぞ。』

窓辺で呑気にお茶飲む私を見て、春樹は突っ込んできた。

「…。」

『あ、ご飯の支度されてるじゃん。美味しそう~!!』


私と春樹は、2人でお鍋を囲み、くだらない世間話や、温泉の感想とか、料理の事について、ただ話し続けた。

ただ普通に笑っていた。

どこにでもいるカップルみたいだったよ。


嘘や夢でもいい。

この瞬間は間違いなく、私達は恋人になれたよね?

一時だけの恋人同士の夜だった。


この時までは。
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