魔女の報酬2 ~果ての森編~
魔法院の院長ラムルダが姿を現す。
「ラムルダ……?」
終わったの? と問いかけようとして、メディアは言葉を飲み込む。様子が変だ。
ラムルダは問いかけに応えようともせず、二人に向けられた紫の瞳は怒りに満ちていた。ぎっと二人を睨み据える。
いつもは穏やかなだけに、打って変わった彼の様子には迫力がある。
メディアとミレド2世は思わず手を取り合って、その場に凍りつく。
ラムルダはしばらく無言のまま彼らを目線だけで威圧すると、ようやく口を開いた。
「お静かに願います」
彼はそれだけをいうと、室内に姿を消す。扉を閉める音がやけに大きく響いた。
二人は手を取り合ったままの体勢でラムルダの消えた扉を見送り、ややしてふたり同時に大きなため息をついた。二人して、息を詰めていたらしい。
「怒らすと怖いのだな」
感心するように王が言う。
「忘れていたわ。ラムルダって、難しい魔法を使うとき、側で邪魔されると、キレるんだった」
「なるほど。では、静かにしておかねばなるまい」
「そうね」
「ところで、メディア殿」
王は明るい青い瞳を悪戯っぽく輝かせた。
「何よ?」
思わず警戒のまなざしを向けるメディア。この王様は意表を突くことにかけては、その息子以上だ。
「そろそろ手を解放してくれないか。役得だとは思うのだが、後であれに知れると怖い」
「うっ」
思わず大きな声を上げてしまいそうになるのを必死でこらえて、飛び離れるメディアだった。
「ラムルダ……?」
終わったの? と問いかけようとして、メディアは言葉を飲み込む。様子が変だ。
ラムルダは問いかけに応えようともせず、二人に向けられた紫の瞳は怒りに満ちていた。ぎっと二人を睨み据える。
いつもは穏やかなだけに、打って変わった彼の様子には迫力がある。
メディアとミレド2世は思わず手を取り合って、その場に凍りつく。
ラムルダはしばらく無言のまま彼らを目線だけで威圧すると、ようやく口を開いた。
「お静かに願います」
彼はそれだけをいうと、室内に姿を消す。扉を閉める音がやけに大きく響いた。
二人は手を取り合ったままの体勢でラムルダの消えた扉を見送り、ややしてふたり同時に大きなため息をついた。二人して、息を詰めていたらしい。
「怒らすと怖いのだな」
感心するように王が言う。
「忘れていたわ。ラムルダって、難しい魔法を使うとき、側で邪魔されると、キレるんだった」
「なるほど。では、静かにしておかねばなるまい」
「そうね」
「ところで、メディア殿」
王は明るい青い瞳を悪戯っぽく輝かせた。
「何よ?」
思わず警戒のまなざしを向けるメディア。この王様は意表を突くことにかけては、その息子以上だ。
「そろそろ手を解放してくれないか。役得だとは思うのだが、後であれに知れると怖い」
「うっ」
思わず大きな声を上げてしまいそうになるのを必死でこらえて、飛び離れるメディアだった。