魔女の報酬2 ~果ての森編~
彼女は今にも敵を追って、飛び出していきそうだった。が、敵の真意がどうあれ、今のところその正体も居場所も定かではない。
「だが、いったいどうする気だ? 敵が何者でどこにいるかもわからないのに」
「ラムルダ、あんたって、頭いいようで悪いのね。グレムリンを使い魔に飼っている魔法使い。しかも魂盗みを使えるような魔法使いなんて、私の知っている限りでは、一人しかいないわ」
彼女は、軽々と愛用の魔法のほうきの柄に飛び乗ると、空中で彼を振りむいた。
「魂戻しの魔法の準備をしておいてね。いますぐ取り戻してくるんだから」
「メディア、やめるんだ」
「ふん」
彼女は鼻でせせら笑った。
「あんな弱虫に負ける私だと思うの。私はこれでもドラゴン退治の魔女なのよ」
「メディア!」
ラムルダは止めようとしたが、果たせなかった。彼女は一直線に北にむかって、飛び立っていく。
「まったく」
彼は思わずため息をついた。
あの短絡思考はどうにかならないものか。
ウィルランドの北の果て、『果ての森』と呼ばれる森のすぐ側にある古城。そこに住まう魔法使いヴィゼは策略をめぐらして、人を陥れたりするようなタイプではない。使い魔を単なる手駒として使うなどとても考えられない。その誠実な人柄ゆえに、『果ての森』の番人として、あそこに任じたのだ。
「だが、いったいどうする気だ? 敵が何者でどこにいるかもわからないのに」
「ラムルダ、あんたって、頭いいようで悪いのね。グレムリンを使い魔に飼っている魔法使い。しかも魂盗みを使えるような魔法使いなんて、私の知っている限りでは、一人しかいないわ」
彼女は、軽々と愛用の魔法のほうきの柄に飛び乗ると、空中で彼を振りむいた。
「魂戻しの魔法の準備をしておいてね。いますぐ取り戻してくるんだから」
「メディア、やめるんだ」
「ふん」
彼女は鼻でせせら笑った。
「あんな弱虫に負ける私だと思うの。私はこれでもドラゴン退治の魔女なのよ」
「メディア!」
ラムルダは止めようとしたが、果たせなかった。彼女は一直線に北にむかって、飛び立っていく。
「まったく」
彼は思わずため息をついた。
あの短絡思考はどうにかならないものか。
ウィルランドの北の果て、『果ての森』と呼ばれる森のすぐ側にある古城。そこに住まう魔法使いヴィゼは策略をめぐらして、人を陥れたりするようなタイプではない。使い魔を単なる手駒として使うなどとても考えられない。その誠実な人柄ゆえに、『果ての森』の番人として、あそこに任じたのだ。