いつだって…
よみがえる悪夢
その日もいつものように公也と逢っていた。

「公也、そろそろ外で会わない?」
「そうだな…いいんじゃないか?いつにする?」
「え~とね……」
「希蘭?」
「っ…」
「希蘭?どうした?」
「さっきから胸が苦しくて……バタっ」    「希蘭!希蘭しっかりしろ!じいちゃん救急車!救急車呼んで!」

ピーポーピーポー

「先生!希蘭は?」「公也君、落ち着いて…」
「お母さん」
「先生、娘の容体は?」
「今のところは安定しています。が、油断はできません」
「先生、希蘭はどおしちゃったんですか?」
「癌が再発しました。今回は胃だけでなく心臓と脊髄にも転移が見られます」
「そんな…手術はできないんですか?」 「胃の方は切除手術でなんとかなります。脊髄もお母さまの脊髄が結合していたので移植をすればなんとか。でも、心臓だけはドナーが必要です」
「じゃあ、すぐにでも脊髄移植を!」
「分かりました。では、明日しましょう」

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