いつだって…
どうしたら…
俺の心臓はどうやったって治らないと診断され、ペースメーカーを入れた。

俺はそれで解決したけど、希蘭はそうもいかない。

ペースメーカーは、体への負担が大きすぎる。だからといってドナーが見つかったわけでもない。

希蘭の体力はどんどん落ちていった。自立では立ち上がれないほどに。

もう、俺はどうしたらいいか分からなくなっていた。

「希蘭、俺は希蘭のためになにができる?」

「そうだな…そばにいること…かな」

「希蘭、ごめんな。なにもしてやれなくて。俺は…俺は無力だ」

「そんなことない!公也がそばにいてくれるだけで元気をもらえる」

「でも…」

「公也は公也のままでいいの」

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