いつだって…
病名
公也についてきてもらって、内科に向かった。
「腹痛はいつからですか?」
「1ヶ月前くらいからです」
「どこら辺が痛いですか?」
「胃らへんです」
「ちょっと触りますね?…一回レントゲン撮ってみましょうね」

私だけ別室で寝ているように指示された。
その頃、診療室では…

「ご家族の方ですか?」
「あっいえ。彼氏です」
「そうですか…」
「あの…希蘭になにか?」
「希蘭さんのご家族の方を呼んでもらえますか?」
「はぁ」

数分後…
「嘲笑希蘭の母ですが」
「お待ちしておりました。こちらへどうぞ。彼氏さんも」
「あの…」
「失礼ですが、お父様は?」
「1年前に亡くなりました」
「お父様はなにで?」
「癌です」
「あの~希蘭は?」   「あっはい、単刀直入に申します」
「「はい」」
「希蘭さんは、癌です。胃癌で恐らく転移もしていると思われます」
「えっ癌?やだ…いや~!」
「お母さん落ち着いて…」
「あの、希蘭の病状は?」
「そんなに進んではいませんが、恐らく心臓辺りに転移してる可能性があります。詳しい検査が必要なので今日から入院していただきます。希蘭さんにはこちらから説明しますか?それともご家族が…」
「俺がしてもいいですか?お母さん」
「なんであなたが?」
「僕は小さい頃小児白血球病になり入院していたことがあります。癌を宣告されるときのつらさは一番分かります。希蘭が出来るだけショックを受けないように伝えるので、お願いします」
「じゃあ、まかせます」
「ありがとうございます」

「希蘭?調子はどお?」
「まあまあ、どうしたの?」
「希蘭、落ち着いて聞いてくれ」
「ん?」
「希蘭、お前は癌らしい」
「癌?」
「そうなんだ。胃癌らしくて心臓とかにも転移してる可能性があるって」
「胃癌?なにそれ…」
「希蘭、俺がずっとついてる。だから頑張ろう!」
「一緒ってなに?公也はなんともないくせに!」
「違うんだ!」
「ど~ゆうこと?」「希蘭には言ってなかったけど、俺、実はな小さい頃小児白血球病になったんだ。その時の治療のせいで人より心臓が弱いんだ。この前、検査に行ったら移植が必要だって言われた」
「移植?」
「そう…だから俺も癌患者の一人だってことなんだよ!だから希蘭も一緒に頑張ろう!」
「公也、ありがとう。私、頑張るね」

こうして私は癌治療、公也は移植に向けて治療が始まった。
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