爆走★love boy2
せめて手だけでも握りたい。



そう思い、私は自分から樹先輩の手に指先を触れようとした。



なのに……。



ほんの少しふれた瞬間、先輩は視線を画面にくぎ付けにしたまま、私の手を払いのけたのだ。



一瞬、心臓が止まる。



え……?



先輩は何も気づいていない様子で、私がほんの少しふれた部分をかゆそうにポリポリとかいたのだ。
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